技術士二次試験が「難しい」と感じる方が見落としているであろう「盲点」
こんにちは。姜(キョウ) 忠男と申します。
膨大なインターネット情報の中で私のブログにたどりついていただき、ありがとうございます。
私はとある技術系会社に勤務しており、「技術士」という資格を保有しています。
私の場合は、「応用理学部門」と「金属部門」の2部門を取得しています。
今こちらの記事をご覧の方は、ひょっとしたら、技術士試験の合格を目指していらっしゃる方かもしれません。
そこで、ここでは、技術士二次試験について、私の思うところを述べて見たいと思います。
技術士試験には一次と二次があり、一次試験に合格すれば「技術士補」、二次試験に合格すれば、「技術士」になることができます。
私は、上記2部門を取得するために5年連続で受験しました。
応用理学部門は2回目、金属部門は3回目の挑戦で、合格させていただきました。
そのなかで、見えてきたものがあります。
技術士試験は、非常に難易度が高い(その割に知名度が低い笑)と言われていますが、
私は、「確かに簡単な試験ではないが、言われるほど難しい試験でもない」と思えるようになりました。
それは何故かと言いますと、「この試験になかなか合格出来ない人は、ここを見落としているんじゃないか?」という、ポイントに気付いたからです。
(総合技術監理部門はちょっと例外的な部門ですので、ここでは省きます笑)
もし、ここをお読みの貴方が技術士試験合格を目指している方だったとして、
次のような質問をされたら、答えられるでしょうか?
「技術士の定義って、ご存じですか?」
技術士試験になかなか合格できない方は、大きく分けて、次の2つのパターンに当てはまるのではないかと思います。
1.知識や経験が不足している
2.知識や経験は充分あるが、そもそも技術士とは何なのかを理解できていない
1の方は、頑張って実務をこなしつつ勉強して、知識と経験を身につけていただければよいのですが、
問題は、2の パターンの方です。
技術士とは一体何の資格なのか?その定義も分かっていないのに、合格出来るわけがないですね笑。
忘れてはいけないのは、「技術士は、国家資格である」ということなんです。
どういうことかと言いますと、
技術士に限らず、国家資格(全部調べたわけではないですが、おそらくすべて)は、法律によって、その要件が規定されています。
その技術士法の第二条に、バッチリ書かれているんですよね。「技術士の定義」が。
技術士法で検索するとすぐ出てきますが、一番重要なところだけ抜粋しますと、
「技術士」とは、(中略)科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。
とあります。
技術士試験を受験される方は、専門知識の勉強や論述筆記問題のトレーニングはなさっているでしょうけれど・・・
法律の勉強まで、してますか?笑
ついでに申しますと、技術士試験そのものも、技術士法に則って実施されているんですね。
おそらく試験の採点官は、この定義を、頭にしっかり入れられて採点なさっているはずです。
いくら専門知識があって文章が上手でも、「ん?この受験者は、技術士の定義に当てはまっていないな」と判断したら、その時点で、不合格にするのではないでしょうか?
私が採点官だったら、そうします笑
何といっても、「定義」ですから。これこれこういう人を、技術士と呼ぶことにしますよと、法律で決められているんですから。
これを理解しているのと知らないのとでは、受験結果に大きな差が出てくるのは、明白ではないでしょうか?
特に技術士試験本番で問われるのは、上記条文のうちの「高等の専門的応用能力」の部分なんですね。
「高等の専門的応用能力」については、詳細に説明すると長くなるので本日は省略させていただきますが、
すなわち、技術士二次試験とは、
「この受験者は、技術士の定義に合致している技術者かどうか」をチェックしてるだけ、と言えるんですね。
技術士二次試験の合格基準は、60点以上です。完璧な答案なんて要りません。たったの6割出来てたら十分なんです。
専門知識と経験がそこそこ(6割程度)ある方なら、あとは「専門的応用能力」さえPRすれば、合格できるんです。なぜなら、それで(少なくとも最低限は)技術士の定義に当てはまるからです。
そう考えてみれば、どうでしょうか?
もちろん専門知識がないとお話になりませんが笑、技術士試験は、確かに簡単な試験ではないですが、手も足も出ないほど難しい、なんてことは決してありません。
技術士試験における技術士法については、「技術士の義務と責務(3義務2責務と言われたりします)」がよくクローズアップされますが、私が最も重要だと考えるのは、やはり第二条の「技術士の定義」と、その前に書かれている第一条の「技術士の目的」ですね。
第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。
技術士法の第一条第二条を理解されれば、技術士試験は半分合格したようなものだと、私は思います。
受験される皆様には、ぜひ合格されて、技術士の称号を勝ち取っていただきたいですね。